2015年1月1日木曜日

コミックマーケット87への参加で考えたこと  

 もう日付が変わって新しい年になってしまいましたが、寒い中コミックマーケットに来てくださった方には本当にありがとうございました。また当日お会いできなくても、CDの発表前、僕があまりにネガティブなので心配してくださっていた方もありがとうございました。

 きっと当日にはさすがに覚悟が決まるものかといえばそんなことなかった。前日に搬入を済ませてあとは行くだけになっていたのに全く寝られず、20分くらい寝たのか寝てないのか分からないまま家を出た。
 前日、連れ合いにこぼした我ながら一番ヒドイ言葉は「もうCD2枚しか売れてなくていいから明日の夕方にワープしてほしい…」であった。

 電車に乗ったものの、満員電車の中で明らかにコミケ客の大学生がデカイ声で話しており、「萌え豚のやつらがどうのこうの」とか悪口を言っているのを聞いていたら嫌になってきた。話の内容からするとどうも、カワイイ女の子キャラクターが出てくる場面だけを好むようなアニメ・ゲームファンの蔑称のようだ。
 それは「三つ目がとおる」で言ったら、写楽くんや謎解きはどうでもよくて、和登さんの服がびりびり破けるところだけを目当てにしているファンのことだろうか。…などと考えていたらどうでもよくなってきた。

 そういえばマノウォーは「これはメタルじゃねえだろ」という音楽に対してフォールス・メタルという概念を作っていたし、LAメタルの華やかなメンバーは「ポーザー」(格好だけ)とも呼ばれていたっけ。精神性のない音だけのパンクについて「ファッションパンク」とかね。そういうものかね。今のご時世に「あいつはポーザーだ」とか言ってたらバカみたいだよね。今度から、「どうも、フォールス・メタルのパラメキア帝国です」って挨拶しようかな。言ったら吹きそうになるけど。
 
 まあ、そんな風に考えていたらすぐ会場に着いた。8時に着いてサークル入場口から入り、すぐ出展の準備に入った。長机の半分のスペースを使って売り場にして良いことになっている。
 今回は本当に新人バンドが体当たりするつもりで、初心に帰ってお客さんを増やせるよう頑張ろうと思っていた。だからポスターを含めたスペースのレイアウトは全部事前に決め、売り子をする僕とボブも名札を作って、一緒に閉会の4時まで声を出して頑張ろうと話した。
 これが当日のスペースの様子。手前のipadからは格ゲーメドレーのPVがループ再生されるようにした。
 



 さあ開場というときに、目の前の艦これ吹奏楽サークルにすごく肌を露出したコスプレをしたお姉さんが売り子として来ていた。……もうダメだ。
 「艦これ・吹奏楽・お姉さん」それの向かい側に、「ファミコン・メタル・猫背」だよ。もうCDをダンボールに戻して、ゆうパックで自宅に戻す準備をした方がいいんじゃないのか。

 しかし、開場してお客が来たらそのお姉さんは大きな声で宣伝をして頑張っていた。
 そうだ、僕らは聴いてくれる人を増やしにココに来たのだ。ここで声も出さずに突っ立っていたら音楽以前に、全ての面で僕らダメになるぞと思った。

「ゲーム音楽バンドですー。ファミコンとかスーファミやってます。聴いてってください!」と、開場の10時から16時まで通る人に呼びかけ続けた。
 通りがかる人の顔を見て今自分が声を出しているというのは、バンドの音楽を聴いてもらうために精一杯の努力をするという点で、せっせとウェブ上で宣伝ページを作ったり、どうしたらいいのか考えたりするよりも何倍も清々しい行動だった。楽器の練習とは別の意味で、自分の中身が清められていくような思いだった。僕はおにぎり2つを食べて、ボブはカロリーメイトを食べて、その間以外は8時間呼びかけをし続けて、僕らのバンドはたぶん一段階レベルが上がったんじゃないかとさえ思える。
 
 視聴をして「おおおー!いいね!」と言ってくれる人。
 PVに目を止めて、面白いことやってますねDVDは無いの?と言う人。
 CDを手に取ってくれて、「既刊はないの?」という人。
 視聴する前にもう買ってくれて、家での楽しみが無くなるからねーという人。
 一曲目のすごく静かな曲を聴いて「いいね」と言って買ってくれて、僕が心配になって「あの、他の曲はすごくうるさいんですけど大丈夫ですか」と聞くと、「そうなの?全然。そういうの好きだからOK」という人。
 そして、明らかに子どもだろうというお客が三人「マッピーは入ってますか」と聞いてきたのは驚いた。300円かー、どうしようかなー、よし、買っていこう、ください!と言われた。年を聞いたら13歳だって…。お父さんに渡してあげたら喜ぶかも。試聴をして気に入ってくれたのかもしれないけど、明らかに子ども用みたいな小さな財布から300円が出てきた光景は目に焼き付いている。
  
 バンドを再始動する際には、以前CDを聴いてくれていた人やライブに来てくれていた人にはほとんど挨拶をせず、というか「またやりますから応援してね」というのがどうもエラソーでできなかった。余計なお世話というのもあるし、勝手にバンドを中断しておいて何だよというのもある。
 しかし、当日の会場には僕らのスペース前を偶然通りかかって、「復活してたのー!?」と驚いてくれた人が何人もいた。カタログで目にしたわけでも、twitterやホームページで見たわけでもなく、その日に知ったのだという。中にはパラメキア帝国を観に来て、自分もバンドを始めた!と言ってくれる方も。(こんなフォールス・メタルバンドを…。)
 そして、すごく応援してくれていた人に10年ぶりに再開して、本当に喜んでくれて、握手をしたらなんか目がウルウルしてしまった…。
 10年休んだ分、それを取り返せるくらい頑張っていこうと思った。というか、早く帰って練習したくなった。
 
 その日は結局、僕らの1枚目のアルバムと2枚目のアルバムの間くらいの枚数のCDを手に取ってもらうことができた。
 年の瀬で、僕らのような年代は参加しづらくなっている日程、しかも以前のようにFFやFalcomのアレンジやメタルアレンジが流行っているわけでもなく…という状況でそれだけの数の人に聴いてもらえるというのはとても嬉しいし、驚きでもあった。

 こういう活動はやはり続けていかないと意味がないし、今回無理をしてCDを出せました…というのではダメで、また出せる体制を整備しなければならないと思う。今回のCD制作についての反省も忘れずにしないと。
 
 というわけで、CDを聴いてくださった方でお時間の許す方はぜひアンケートにご協力ください。項目の全てに答えなくても、答えやすい項目だけでも大丈夫なようにしてありますので。悪い点は超真剣に受け止めて次に生かし、良い点を書いてもらったら、側で見ていたら気味悪がられるくらい喜びます。よろしくお願いします。

https://docs.google.com/forms/d/12q72hCVrZ671Vw5T6Vfx6clZxGpMxq5S6b0LKZ14fnI/viewform?usp=send_form

 コミケ会場を片付けたらこんな感じ。祭りの後というか…

 だけど、どんなに頑張っても燃え尽き感は味わったことがないので、もう次のアルバムに何を入れようか考えています。というか、3曲決まりました。よし、やるぞ!


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