2016年11月22日火曜日

サウンドテスト0008に出てきたぞ。

 ライブ後がっつり風邪をひいてしまって、本当にテイルズオブファンタジアのタイトル画面のようなしわしわな声になってしまいました…
 サウンドテスト0008にご来場の皆さん、当日はどうもありがとうございました。そしてゲー音部の方々、最高の1日になりました。ご一緒させていただいて本当によかったです。

 1日で9バンド、計5時間半のライブ。これはゲームミュージックにおけるラウドパークか!?みたいなノリで、演奏時間もさることながら、バラエティ豊かなサウンドがみっしり詰まった濃密なイベントになったと思います。


 1バンド目はPolygon Wings。EWIやフュージョンが好きな人が集まってカッコイイことやろう!というバンドで、まとまった音と確かなテクニックでお客さんのノリも1バンド目から最高潮に。Moon over the Castleの最中に舞台袖で司会のAKさんがすごく実感のこもった表情で「カッコイイ……!」って言っていましたが、ゲー音部の中にもお客さん側で盛り上がりたい人がたくさんいたことと思います。(当日は満席となったため、ゲー音部員は壁際で5時間立ちっぱなし、あるいはドアの外にいざるを得なかったのであった…)俺たちが一番好きな音はコレで、一番好きな音楽はコレだ!という愛情がストレートに出ていて、実はこの日一番男らしさのあふれるバンドだったと思います。

 そして2バンド目は僕らFluffing Moogles。あとで書くので飛ばします。実はこの日、イベント主催のしんざきさんには後ろ方のすごく良い番手をもらっていたのですが、この順番に変えていただきました。夫婦で参加だったため、娘たちを北海道から来てもらったおじいちゃん&おばあちゃんに預けてきたのです。早く帰らないと2歳&5歳の娘ふたりが「ちから99」「ちせい1」でキャプテンをなぐり殺す反乱軍と化すのでした。この日僕らの出番が終わった瞬間、てまりはメンバーや共演者との挨拶もそこそこに会場を出て自宅へダッシュしました。(出してもらったのに失礼なことをして申し訳ないと言ってました)

 3バンド目、ベスの極み翁。1、2バンド目の大音量とうってかわってベースのみでゲーム音楽を演奏するというバンドでした。「今日はなんでもアリなんだ」という流れを作ってくれたのはこの人たち。ただ腕組んで突っ立っている人がいるとか、指揮者がいるとか、その指揮者を誰も見ていないとか、見た目でのインパクトも合わせて勝負していたし、お客さんからは笑い声がたえず、がっちり心をキャッチしていたと思います。ファミコン版ドラえもんの魔境編後半の曲は個人的に大好きな曲で、これを聴いていたらネタ的な側面ばかり目立ってしまうけれど、表現したい音楽があるんだなーいいなーと思いました。…しかしそれに続いてラストに演奏されたのは1942。みんな思ったことだろうけどあえて言わせてもらうよ。なんでベースだけでゲーム音楽やっといて、ベースが無くてもいい曲をやるんだよ!

 4バンド目、レトロゲーム弾き語り。僕はブルーハーツと完全に無縁な生き方をしてきたので曲は知らなかったけれど、声を聴いた瞬間この人甲本ヒロトに声似てるなーと思った。曲が終わった後にブルーハーツの曲の翻案と聞いて納得した次第でした。実はこの日、9バンドあった中で僕が一番いいなと思ったのは次の弾き語りバージョン「ボンバーキング」。間奏含めてアレンジもとっても良かったし、ギターとボーカルのサウンドもすごく雰囲気があった。ジャンルは全然違うんだけど、AnathemaのDreaming Lightみたいなイメージ。ギター1本持って勝負しに来た彼を僕は笑う気になれなかったけど、水を飲んだりMCでテンパったりしている時にお客さんから笑いが起こっていた。(ここら辺は僕が他の人とズレているところなんだろうけど)。第二弾・三弾がこれからあるとしたら、僕個人の感想としてはキャラを生かすのではなくて、本気で演奏して本気で吠える路線でいってほしいな。

 5バンド目、Enpanadillas。ゲー音部の民族音楽チームで、楽器もケーナ、サンポーニャ、二胡などバラエティ豊かなユニットでした。この日の主催はしんざきさんで、僕が今まで出たどのライブイベントよりも細かい部分がかっちりと決まっていて、出る側としては至れり尽くせりすぎてびっくりだったのですが、こういうことができるのって、何よりもしんざきさんが自分のバンドにかける情熱があってこそだなぁと思いました。だから、こんなに多方面に気を遣って、倒れたりするんじゃないだろうか…とか、当日演奏だけするつもりでノコノコ行くのは申し訳ないとも思っていたのですが、Enpanadillasの音を聴いたら納得。この音を出したいという思いに支えられた上での八面六臂の活躍だなぁと思われました。クロノアのBaladium's driveって、ものすごくいい場面で流れる曲なんですよ。死を乗り越えて、少年が勇気を持って立ち向かう曲です。だから太鼓の達人でやるのってどうなの…と思ってしまうくらいなのですが、この曲を本物の楽器で魂を込めて演奏しているのが聴けてよかった。彩りを添えていた…というよりもはやメインといっても良いようなメイジソさんのパーカッション。この人の1音1音をすごく大切に鳴らしている感覚は、やっぱり今までの演奏歴から来るのだろうか。音楽って、ここしか無いというタイミングでこれしかないという音を響かせることの積み重ねだと思う。僕はギタリストだけど見ていて本当に見習いたいと思った。

 6バンド目、TAKEKEN with Friends。Fluffing Mooglesでキーボードを弾いてくれたさば夫さんがここでは華麗なジャズピアニストに変身…というか、こっちが本来の姿であってギターの音がでかすぎたりMCでずっとバカなことを言っているところでむしろ我慢してたのかもしれないけど。演奏は熟練の域に達していて、ゲーム音楽をひとつの手段としてジャズの世界観に落とし込むという技をやってのけていました。これだけの音を重ねておきながら心地よさを感じさせるのは、1分ギターを弾いただけでクドいとかうるさい、いつ歌始まるの?と言われてしまうHR/HMとは対極にある世界だ…。セッションではリーダーのけんたろさんが、自分が前に出るよりもメンバーをすごく大事にしていることが伝わってきていいなと思いました。え?僕はバンドやるときは自分のことしか考えていませんよそりゃ。

 7バンド目、スヌーピーズ。キーボードの音がもうセガっぽいというか、メガドラっぽいという感じがしました。ギターやドラムが入っていてピアニカがメインというのも初めて見ましたがこのバンドのサウンドを特別なものにしており、リハではなかなか音が前に出てこなかったけれど、本番はバッチリでしたね。フロントのコブさんと打ち上げで隣になったんですが、その日の出来をすごく気にしていて、そんなこと全然ないのに…と思いました。とても良い演奏だったし、バンドのコンセプトもはっきりしていて個性の強い9ユニットの中でも存在感があったと思います。

 8バンド目、札幌ゲー音部。さば夫さん率いるいずれも演奏の上手なメンバーの揃ったバンドでした。イトケンメドレーはベタな選曲ではなく、サガフロンティアのバトル#4や聖剣伝説のバトル2をやっていました。カッコよかった!バトル#4のイントロってすごくその場の雰囲気を持っていくのでカッチリ演奏しないと難しいと思いますが、その辺はビシッと合っていて、このクオリティならわざわざ東京まで来て演奏してもおかしくないよなぁと思うのと、札幌ゲー音部のチームワークの良さを感じました。ドラクエ4のダンジョンメドレーで効果音に気持ちの悪い音が入っていて、最高にカッコ良かったです。ドラクエのダンジョンって、だんだんMPが尽きて行って、ものすごく心細くなったっけ…と思い出しました。

 9バンド目、ファミコンやろうぜ。この辺でお客さんも長丁場に疲れ果てているだろうと思ったら、ほとんど誰も帰る人がいない…本当にゲーム音楽を愛している人が集まった良いイベントに出させてもらいました。このバンドはリーダーの麺さんが、小学四年生のころのゲーム体験を再現するシナリオを書いていて、メンバーがセリフを言いながら曲を演奏していく形式でした。楽器も鼻笛、ピアニカ、アンデス、カリンバ、ディジリドゥ、バイオリン、セガ(テルミン)、カホン、スーファミ…など(これで全部?)というくらいバラエティに富んでいました。お金持ちでたくさんゲームソフトを持っている友達の家にみんなが遊びに来るという設定で、そこにいる誰もの胸が苦しくなったことでしょう。あの時の友達付き合いって、「ファミコンいっぱい持ってる」がひとつの判断基準としてそこにあったと思います。僕の周りでも「あいつ嫌なやつだけどファミコンやりにあいつんち行くか」みたいな流れは確かにあった。なんかそれを思い出してしまったけれど、これは「ファミコンやろうぜ」の再現したい世界が確かにそこにあって、それがすごく観ている側にリアルに訴えかけてきたということだと思う。それより「ファミコンやろうぜ」が屈託なく明るいメンバーばかりで、ああ、こういう小学四年生でありたかったよなーという気持ちにすり替わって行ったのでした。…しかし、ひとつだけ注文させてもらうとすると、男子の家にあんなに女子がたくさん遊びに来るって、そりゃ人生の一大イベントじゃないのか!?その辺、すごくさらっとしているように思った。ファミコン好きな女子なんて僕の周りにはいなかった。せっかくファミコン好きな女の子が来ているんだから、わざとケンカして女子の目線を気にしたり、いつもの何割か増しで悪ぶっているメンバーがいたりしても良かったじゃないか!…と思って観ていたら、最後にフロントのスーファミを演奏していた人が「そういえばこのあいだ裏ゼルダをクリアしたんだけど…」と、ファミコンうまいアピールをしてきた!すばらしい!このタイミング。すごいシナリオだ!

 これ以外にも、即興演奏コーナーがあってその場リクエストの曲なんかやったりしたんだよこのイベント…。ウソみたいだろ。これで1日なんだぜ…。来なかった人本当に後悔すると思う。
 自分の出たバンドFluffing Mooglesについては別のエントリーで書き直しますのでそっちも読んでね。

0 件のコメント:

コメントを投稿