2014年10月11日土曜日

音楽をやる人は誰の批判も受け入れるのが当たり前なのか。

 ずいぶん前のニュースかもしれないんだけど、乃木坂46がサッカー場でキャンペーンソングを歌ったら、相手チーム(浦和)のサポーターから大ブーイングされたとか。僕はアイドルなんて知らないけど、年端も行かない女の子にぶーぶー言って盛り上がっている大人って情けない…。ダンスや音楽をやるのって大変なことだから、そういうのやめてほしいなぁ。
 
 音楽をやっている人は誰に何を言われても ガマンしろ、それが嫌なら辞めろという雰囲気は素人からプロまで共通している気がする。アイドルやサッカーなど自分に分からないことは置いといて、自分のフィールドであるメタルについて考えてみると、これがまたけっこうヒドい。
 何年か前、ネットでイギリスのメタルフェスをネットで中継していたので夜更かしして観ていた。ヘッドライナーがIron Maidenで、トリ前はEvanescenseだった。僕はどちらも好きだからジュースか何か飲みながらパソコンの前で楽しく鑑賞していたんだけど、Evanescenseの出番で、MCでも曲中でも客が変な盛り上がり方をしていて、わーわー何か叫んでいる。何だろうと思ってよく聴いてみたら、「Maiden ! Maiden !」とか言って騒いでるのね。Evanescenseはメタルの中では新世代に属すような音で、しかも女性Voなので、伝統的なメタルであるIron Maidenとは全く違う音楽。(まあ、「全く」と言っても特にメタルばかり聴いている人以外には同じように思うかもしれない。)
 それでIron Maidenのファンが「お前らさっさと辞めてIron Maidenを出せ」とわめいているんですね。フェスの意味ない…。その後も騒ぎはおさまらず、ペットボトルがステージにどんどん投げ込まれ、結局は予定していた曲目を減らして演奏した模様。

 昔の画家も詩人も、確かにサロンや文壇ではこっぴどく批判されることもあっただろう。でも、ただ美術館に行って絵を見るのが好きだという人に画家が「へたくそ!」と言われたり、本を読むだけで詩を作らない人が「あの作品には価値がない」とか言うのは何か変だし、まして直接に、やっていることや人格を否定するかのようなふるまいを受けるのはおかしいと思う。
 
 こんなことをエラソウに言っている僕も先日、娘とショッピングセンターに行った時、ローカルアイドルの人が20人くらいのファンの前で歌をうたっていて、それを聴いて「うーん…これはどうなんだろう」と呟いたことがある。もちろんアイドル本人やファンの人に聞こえる位置でもないし、聞こえる声の大きさでもないけれど。
 その人の歌唱力とかは、これから人前でどんどん歌って上手にもなっていくかもしれないけれど、MIDI音源をそのまま鳴らしたようなサウンドと、ちょっとそれは…と言いたくなるような曲に対して「どうなんだろう」と思ってしまったのだが…
 それを聞いて、僕にだっこされていた娘は「お父しゃんそんなこと言わないの。がんばって、うたってるんだよ」と言った。
 音楽をやる端くれの端くれのような僕が、バカにするのはやっぱり違う。だって、がんばってうたっているんだから。

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