2014年10月3日金曜日

青春を悔いる必要はない

 僕は映画『バス男』が大好きだ。出てくる人々が全員愛おしいので、何度も観てしまう。
 その中に、高校生のときアメフトの州大会出場をかける試合に自分が出られず、それを二十年くらい引きずっているオッサンが出てくる。すごくしょうもないオッサンで、いつも「あの時に戻れたら…」と思っている。自分がもし試合に出ていたら勝っていたと、架空の大活躍シーンをシミュレーションしてみたり、マルチ商法の販売員になって、街のお年寄りをだまして儲けたお金を使って通販でタイムマシンを買い、やっぱり戻れなくて悔しがったりする。

 僕の周りにも「あの時こうしていれば…」とか、「あの頃に戻りたい」という人はけっこういる。僕はというと、こんな懐古趣味な活動をしておいて何だけれど、昔に戻りたいと思うことは一切ない。
 小中学生の頃、図書館と古本屋が僕の天国で、そこに置いてあるものが変だったのか 、キン肉マンやドラゴンボールの時代には 手塚治虫と水木しげるを読み、バンドブームだといって好きになったのは筋肉少女帯と人間椅子だった。他人との差別化を図りたかったわけではなくて、たとえばジュンスカとかXのCDは図書館で貸し出し中だったり、ジャンプコミックスは無くても火の鳥やブラックジャックは置いてあったと、そういうことかもしれない。…まあ、その後も当然ズレていきますよね。
 まず一番大きな ズレというのは、自分の中に「女の子と仲良くしたい」という気持ちが無くなって行ったことだろう。身の回りはもとより、トレンディドラマは観たことが無いし(今でもテレビでドラマというものを 観たことがない)、アイドルも好きだったためしがないし、マンガでさえも『きまぐれオレンジロード』とか『電影少女』とか『Boys be』とか忌み嫌うようになった。

 ではそんな子どもの頃の僕がJ-POPを聴いて、昼休みはサッカーボールを持って校庭に走って行くという道を通っていたらどうなっていたか、と考えてみる。
 少なくとも人にダサいと言われない服を着て、中高生の頃とかにステキな彼女ができていたかもしれない。僕みたいにある意味で青春を失敗した人というのは(言い過ぎかもしれないけど)、類は友を呼ぶのでけっこう周りにいるけれど、自分の趣味嗜好がもう少し世間寄りだったら…と思うこともあるらしい。
 
 そういう人に会うと 、特にその人が僕と同世代だったりすると、いつも見せたくなるものがある。 そして、80年代の表舞台にいなくて良かったですね、と言ってあげたい。
 それが、このPVだー!

 
 頭のてっぺんからつま先まで、全部ダセ ー!
 この時代に戻りたい人は、まずムチムチのジーパンを買ってキーボードを壁に固定するがいいよ。

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